2月20日 雨ふりの一日
↑これを読んで一気に昔の大昔の思い出がよみがえりました。「休日アポロ」
ワタクシが小学生の頃のお話です。
父の職場の社宅に住んでいました。大阪府枚方市。
横に4軒、縦に4階、16家族がそこにおりました。
同世代も多く、年子の兄弟姉妹のようでもありました。
少し女の子が多かったかな。
さて、ある朝の出来事。
集団登校すべく階段をおりると、地面にそれはそれは綺麗で可愛い消しゴムが
大量にちらばっています。
思いがけない光景に駆け寄って、しゃがんで声もなくそれを見つめました。
「捨てられたんかな‥これ‥」となりのトンちゃんも降りてきて、
小さい声でつぶやきます。
いつも元気なトンちゃんも何故だか声が小さいです。
お調子もののワタクシも「そうなんちゃう‥」と力が入りません。
よく、お母さんに怒られませんでしたか?
「○○ばっかりして‥、そんなんやったら、これ、もうっ捨てるよ!」
そんなこんなできっと窓からポイっとされちゃったんでしょう。
だんだん皆が揃ってきます。
この中に捨てられちゃった子がいるんや‥。
「ここに集めとこか」
だれとはなしに言い出して、でも、だれのかを少~しうかがいながら、
階段の下に集めます。
当時女の子の間では消しゴム集めが大流行。
これだけ集めるにはどんだけ時間と労力をかけたことでしょう。
それがみんなわかるだけに言葉少なです。
そして、いつもより出発時間が遅れたので、急ぎ足で学校に向かいます。
ゆれるワタクシのポケットに拾った消しゴムが一つ‥。
消しゴムを黙ってもらったコトよりも、
自分は知らないよって顔して一緒に拾った「捨てられちゃった」子は
その時どんだけバツが悪かっただろう‥、
どんなに、「これ、ワタシの~」って言えたら、かっこ悪いけど楽だっただろう‥って
ずっと考えてたら、なんだか自分のが捨てられちゃった気分になり、
泣きたくなりました。
自分は捨てられるほど持ってないのに。
だから黙って一つもらっちゃったのに。
あの消しゴムどうしたのかな。
帰り道でどこかの植え込みに捨てたような気がする。
捨てるなら黙ってもらわなきゃいいのにね。
2度捨てられる消しゴムは可哀想。
学校から帰ってくると、階段にみんなで集めたはずの
色とりどりの消しゴムはひとつのこらず消えていました。